令和元年6月19日に加賀市議会で行われた定例会では、公共施設や通学路のセキュリティー強化を目指した質疑が中心となった。
議員の東野真樹氏が登下校時の安全対策について質問を行い、その中で最近の殺人事件に言及した。東野氏は、加賀市の過去5年間の犯罪件数の減少を認めつつ、治安悪化への懸念を表明した。特に、児童の安全確保に関しては、地域ボランティアとの連携を強化する必要性を訴えた。
教育委員会の梶谷清裕教育委員会事務局長は、登下校時の見守り活動を地域ボランティアが行っていることを説明し、引き続き警察との連携を強化すると述べた。東野氏は、現場での協力を呼びかけながら今後も進めていくよう要請した。
さらに、防犯カメラの設置状況についても質問が続いた。東野氏は、防犯カメラの設置が加賀市において適切でないとし、学校や利用頻度の高い公共施設への導入を促進する意義を強調した。荒谷啓一市民生活部長は、現在、合計100台の防犯カメラを各所に設置していることを示し、学校や通学路等への設置も検討していると報告した。
東野氏はさらに、防犯カメラ設置のための助成事業を拡充し、地域企業に広く協力を呼びかける必要があるとの意見を伝えた。
通学路の安全確保に関連して、防犯灯の設置についても言及がされた。農村地域における防犯灯設置の課題に対して、東野氏はソーラー式防犯灯の導入検討を提案。これに対し、教育委員会では市の補助制度を利用した通学路の防犯灯設置が行えると説明した。
会議の後半では、STEAM教育事業と障がい者のテレワーク推進に対する質問も上がった。特に、プログラミング教育の成果や、人的資源育成の観点からの取り組みについての期待が寄せられた。
文化財に関する質問では、参加議員が文化財の活用と保存について尋ね、具体的な案件に対する支援と地域内外の人材活用についての重要性が確認された。議員はまた、民生委員・児童委員のなり手不足や健康管理の重要性についても議論し、地域全体での支援を求めた。
加賀市の公共施設や教育に関する課題に対する市議会の議論は、未解決の問題に注意を向けつつ、より良い地域課題解決に向けた取り組みを進める意思を示すものであった。