令和5年10月30日、加賀市議会が臨時会を開催し、主要議案が審議された。
まず、本会議では会議時間の延長について議論が行われた後、議案第84号、令和5年度加賀市一般会計補正予算が提案された。
宮元 陸市長は「補正額は2870万円増額され、補正後の総額は361億420万円に達する。国の補助事業の採択に伴い、速やかな事業推進を図るためのものである」と説明した。
注目の施策としては、加賀市では予約制の乗合タクシーシステムの導入も計画されている。使用台数は増加する可能性があり、既存の運行事業者を公募型プロポーザルにより選定する方針を示した。
政策企画部長の岡田隆之氏は「棲み分けを考え、タクシー業界や路線バス事業者との調整も必要」と述べ、既存利用者の取り込みにも務める方針である。
また、議案第85号、加賀温泉駅にぎわい交流施設条例についても熱心に質疑が交わされた。林 俊昭議員は「飲食等ブースの賃借料が高いことが懸念されるが、出店を希望している業者はいるのか」と発言し、建設部長の嶽野 一義氏は「テナント出店の市場調査は行っており、興味を示している業者がいる」と回答した。
この条例は、中心的な交流拠点を創出し、温泉駅周辺地域の活性化を図ることを目的としている。
加えて、自動運転の実証事業が進行中であることも報告された。市は、地域の運転手不足解消を目指して、自動運転タクシーの導入可能性を模索する方針である。
一色眞一議員は「狭い道路での実証は渋滞を起こす恐れがある」と危惧を示すと、担当部長は「渋滞を回避するための対策を講じる」と応じた。
会議は、議案の審議後、採決へと進み、すべての案件は原案の通り可決された。また、副議長の辞職が許可され、新たな議長、今津 和喜夫氏が就任したことも報告された。
議会運営においては、委員会の委員長互選が行われ、円滑な議会運営へ向けた体制が整いつつある。今後の加賀市議会に注目が集まっている。