令和5年3月27日の加賀市議会定例会が開催された。
この会議では、令和5年度加賀市一般会計予算を含む39件の市長提出議案が一括して審議され、可決された。特に、一般会計予算は前年度と比較し約3.6%増加し、11億円の増加が見込まれていることが強調された。
予算決算委員会の南出貞子副委員長は、加賀市の未来を見据えた人材育成や文化振興のために必要な予算であると報告した。これは、教育やデジタル人材育成に重きを置いた内容であり、特に加賀温泉郷の伝統文化を守るための支援として芸妓活動支援事業費が含まれている。
一方で、議論は賛否が分かれる場面も見受けられた。若林高議員は、予算案に対し反対の立場を示し、加賀温泉駅周辺での施設整備事業が危惧され、大聖寺ゲートウェイのベーカリーの状況も懸念材料であるとの見解を示した。また、彼は、マイナンバーカード普及促進事業に対しても、個人情報保護の観点から疑念を抱く意見を述べている。
また、教育民生委員長の山口忠志氏は、令和5年度加賀市国民健康保険特別会計予算に関連し、ひきこもり支援のために設置される支援ステーションについて説明を行った。この事業は、県や関係団体と連携し、実際に市内での研修や講演会を開催するための予算が組まれている。
新たに提案された議会議案には、加賀市の個人情報の保護に関する条例や、経口中絶薬の承認審査に関する意見書もあり、これらも無事に可決された。特に、個人情報保護条例の新設については、個人の権利利益を守ることが目的とされており、地方自治体の役割が今後さらに重要視されていくことを示唆している。
会議の結びでは、宮元市長が、今後の政策展開に関する期待を述べた。今後の駅開業に向けた準備と、地域の活性化に向けた施策の実施を強調し、議会を通じて市民の声を大切にしていく方針を示した。