令和2年9月9日に開催された加賀市の定例会では、宿泊施設支援事業やSDGs未来都市の推進についての議論が展開された。特に、宿泊施設支援事業に関しては、市内の67の宿泊施設に対して7591万1250円の交付金が支払われたことが報告され、これにより55施設がゴールデンウィーク中に休業する事態に見舞われたとされる。
辰川志郎議員が宿泊事業者への交付金に関する問いを呈し、交付金受領後に休業した事業者が多いことに疑義を呈した。彼は「支援金を受け取ったのに休業するのは意に反する行為であり、地元企業の支援を強化すべき」と主張した。行政は今後、地域企業への支援を見直す必要があると考えられている。
さらに、辰川議員はSDGs未来都市の進行状況として、加賀市版RE100についても言及した。これは公共と民生両面でエネルギーの自給自足を目指し、地域経済の再生を図る取り組みだが、現状では再生可能エネルギーのコストが高く、早期に実現するのは厳しいとされた。経済環境部長は「地域の企業誘致や環境に配慮する社会の構築が必要」と述べ、今後の展開に期待を寄せた。
また、MaaS実証事業についても質疑がなされ、地域住民からは公共交通の便数増加やコースの見直しも求められた。市は運行状況をより便利にする方針を示したが、利用者が求めるニーズに対し柔軟に対応することが重要であると認識されている。
運転免許返納者に対する支援の必要性も取り上げられた。市長は「新たな交通手段の確保が必要」と述べ、高齢者が安心して移動できる環境整備を重要視する姿勢を見せた。また、合同墓の建設に関する提案がなされ、少子化や高齢化により増えている墓地管理の課題解決の一助となることが期待されている。
長生殿跡地についても議員から質問があり、地域活性化に貢献する新たな集会施設の構築について、さらなる協議が求められた。議会終了後もこれらの問題に対して市がどのように対応していくのかが注目される。