令和3年第5回稚内市議会の定例会が開催され、市政に関する一般質問が行われた。
特に注目を集めたのが、工藤広市長が提案した令和3年度稚内市一般会計補正予算案である。この補正予算案は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた市内観光産業の回復を目的とする。市長は、「このたび追加上程させていただきました補正予算は、長引いた緊急事態宣言による停滞した市内観光産業を回復させるために必要な措置です」と述べ、観光客誘致に向けた具体的な施策を提示した。
市長はワクチン接種の進捗に関しても言及し、「高齢者へのワクチン接種は順調に進んでおり、約90%の予約が完了しました。7月中には全ての65歳以上の高齢者に接種を実施する予定です」と強調した。ただし、実際には何名かの高齢者は、予約が7月中に終わったとしても、2回目接種が8月になる可能性がある。
また、田端かがり氏が行った一般質問では、ゼロカーボンシティーに向けた具体策や教育機関における環境教育の重要性が提示された。田端氏は、稚内市が再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に生かすことが重要だとの認識を示し、環境問題への取り組みを強調した。
さらに、観光振興ビジョンに関する質問では、近藤文恵議員が市街地活性化の必要性について明言した。市の中心市街地だけでなく、北地区や南地区など、全エリアの活性化に向けた計画が求められる中、工藤市長は「地域住民のニーズを踏まえながら、全体的な活性化計画を進めてまいります」と答えた。
新型コロナウイルスの影響により、市民生活の困難が続く中、公共サービスや経済支援に関する具体的な施策の充実が求められている。
このように、稚内市議会では新型コロナウイルスへの対策や地域活性化に向けた重要な議題が提起された。市民の期待を背負い、引き続き迅速な施策の実施が待たれる。