令和5年第2回の稚内市議会が3月8日に開催された。議事日程は、予算特別委員会の審査結果報告と市政に関する代表質問で構成されている。特に注目されたのが、公明党の鈴木茂行議員による子育て支援の強化に関する質問であった。
鈴木議員は、少子化問題への懸念を表明し、本市の子育て支援プランの早急な策定を求めた。特に、経済的負担を軽減するための給食費の完全無償化や出産祝い金の支給など、具体的な施策の必要性を強調した。議員は、訪問先の富士見園における外国人介護職員の受け入れの重要性についても言及し、今後の政策の方向性について意見を述べた。
工藤市長は、鈴木議員の提案に対し、従来の子育て支援策をさらに強化する方針を示した。特に、子育て応援プランや、育児負担を軽減する施策についての中長期的な視点からの検討の重要性を訴えた。市長は、国の施策とも連携しつつ、地域の実情に即した支援策を充実させていく方針を明確にした。
また、市職員の人材確保についての議論も行われた。鈴木議員は、中途退職者の増加傾向や、新人研修制度の改善点について質問し、工藤市長は状況を把握しているものの、時代の変化に伴う仕事の価値観の多様化を背景とした中途退職者の増加が見られるとの見解を示した。
市の業務を効率化するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める中での人材確保が急務であるとし、新卒や中途採用の積極的な促進が求められている。特に、技術系職員の確保に対する努力が必要であり、そのため市独自の支援策や研修プログラムの充実を目指すと強調した。
最後に、市長の今期の総括についても触れられた。工藤市長は、コロナ禍や異常気象等の影響を受けながらも、市民の生活を支えるために必要な施策を講じてきたが、非常に厳しい状況であったと述べた。今後も、困難な時代を乗り越えるため、引き続き市政運営に尽力すると意気込んだ。