令和2年第7回稚内市議会定例会が、9月24日に開催された。
会議では、令和2年度の一般会計補正予算案(第8号)や、稚内市港ギャラリー条例の改正について審議が行われた。特に、補正予算案が大きな関心を集めた。
市長の工藤広氏は、補正予算の中で、副港市場の管理に要する経費の追加を説明した。市場は観光拠点であり、地域経済の活性化にも寄与する重要な施設であると強調し、「新型コロナウイルスの終息後も、施設閉鎖を避けるために市が運営する必要がある」と述べた。
次に、一般質問の場では、議員の佐藤由加里氏が低所得者層支援に関する制度の実施を求めた。特に、福祉灯油支給事業の拡充や、子どもワクチン接種助成についても意見が交わされた。隣接する議員、千葉一幸氏も登壇し、新型コロナウイルスとインフルエンザ同時流行に対する対策について質問した。
市長は、「現在、コロナとインフルエンザ流行期の連携について協議中であり、状況に妥当な施策を進める」と回答した。
加えて、高齢運転者に向けた交通安全対策の強化が必要であるとの意見が出た。鈴木茂行議員より、運転免許自主返納者へバス利用券やタクシーチケットなどの助成が提案された。市長は「目指すべき施策として検討する」と述べた。
また、サハリンとの定期航路の運航復旧についても言及があった。市長は「航路の再開には各種調整が必要で、北海道と連携して進める」との立場を示した。特に、貨客船の運航についての意見交換が重要であるとも述べた。
最後に、稚内北星学園大学との積極的な連携の必要性が議論された。教育長は、大学と協力し、地域の課題解決へ向け、共同で取り組む意向を表明した。
会議は、新型コロナウイルスの影響を見据えつつ、地域経済や市民生活の安定に向けた施策を模索する場となり、多くの意見が交わされた。