令和3年第5回稚内市議会定例会が開催され、市長による一般行政報告が行われた。
報告では、ロシアに拿捕された漁船第172榮寶丸の状況に関する対応が強調された。工藤広市長は、連行された乗組員14名の早期解放に向けた取り組みを紹介し、関係機関との連携を進めていることを明言した。その結果、8日に乗組員が解放され、榮寶丸は無事に稚内港に帰港したという。
さらに、市長は新型コロナウイルス感染症の影響についても言及した。先月、感染者が50人を超える事態に直面し、重要なイベントの中止が余儀なくされた。特に、稚内市恒例の夏祭りや聖火リレーなどの中止は、市民にとって残念な決定であった。市長は、今後のイベント開催に向けて、コロナ禍でもできる形を模索する考えを示した。
また、ワクチン接種についての進捗も報告された。高齢者の1回目の接種率は40%を超えており、順調に進んでいると述べた。市内での体制強化に努め、市民が安心して接種できるようサポートする方針を掲げた。
議会では、様々な議案が審議され、令和2年度の補正予算案の承認も行われた。特に、庁舎建設に伴う費用や新型コロナウイルスによる影響への対応も含まれている。市の大きな支出の中で、特にコロナ対策に関連する事項は大きな注目を集めた。
人権擁護委員候補者の推薦も行われ、竹田一美氏と江川善次氏が再任されることが決定した。両氏の豊富な経験が人権問題に対する市の姿勢を強化する期待が込められている。
このように市議会では、地域住民の生活を支えるための重要な施策が進行しており、今後も市民とのコミュニケーションを大切にしながら、議論が続けられることが求められる。工藤市長は、さらなる経済支援策やコロナ対策についても検討していく意向を示した。