稚内市議会の令和2年第1回定例会が3月13日に開催された。議長の岡本雄輔氏のもと、出席議員は17名である。議案や請願、意見書案など多岐にわたる議題が議論され、議案第10号から第27号及び議案第29号から第35号が審議された。
初めに、議長は開会を宣告し、議事日程の確認が行われた。日程には、特別委員会付託事件の審査結果報告、厚生労働省による病院の再編・統合に関する請願、また子どもの医療費の無料化制度拡充に関する要望意見書が含まれていた。
特に、議案第15号に関して佐藤由加里議員(日本共産党)は反対の意見を述べる。今回の予算は後期高齢者保険料の軽減措置と特例軽減割合の縮小が同時に行われるもので、980万円の負担増も生じる。彼女は、「市民にとっては、物価の高騰や昨年の消費税増税により、さらに負担が増加する」と強調し、困難な情勢における負担増加を批判する。
さらに、議案第23号の国民健康保険税条例に関する改正も問題視された。会議では931世帯に約430万円の増税となる見込みが示され、佐藤議員は「国保税は生活を圧迫しており、これ以上の引き上げは許されない」と訴えた。
その後、総務経済常任委員会の中間報告では、新庁舎建設が重要な検討事項として挙げられた。中尾利一議員は、市役所が老朽化している現状を述べ、「新庁舎は市民の利便性と安全性を考慮する必要がある」と発言し、庁舎建設に向けた市民との調整が求められるとした。
最後に、工藤広市長が稚内北星学園大学の経営問題に関する特別発言を行った。昨年末から進められていた協議の結果、大学の再建に向けた覚書が締結されることが決定した。この中で、「稚内北星学園大学が地域にとって重要な公設民営大学であり、持続可能な運営を目指す」と述べた。