根室市議会は11月25日、緊急議会を開き、議案第85号として令和3年度一般会計補正予算の承認を求める議案を審議した。
この補正予算は、赤潮被害への支援、新型コロナウイルスワクチン接種対応、低所得世帯を対象とした福祉灯油支給に必要な経費を盛り込んだもので、歳入歳出各1億7,824万円の追加を含む。
最初に、教育委員会教育長の波岸克泰氏が就任挨拶を行った。彼は、根室市の自然や歴史的背景に期待を寄せ、教育施策を通じて市民と共に未来を語り合う姿勢を強調した。次に、財政課長の伊東英輔氏が補正予算の詳細を報告。
特に福祉灯油支給事業について、齋藤博士市民福祉部長は、灯油単価の高騰を受けて冬季の暖房費支援が必要と説明した。低所得世帯には1万円、生活保護世帯には5,000円の補助を提供、支援対象を227世帯に拡大したことが明らかになった。また、申請手続きの簡便化として、郵送による申請を実施することも発表された。
続いて、赤潮被害を受けた地域への補助金について議論され、藤田隆人水産経済部長がその内容を説明した。名目で支援されるのは、漁業者やセンター経費への支援である。ウニの被害は大きく、漁業者の経営安定を図るための対策が急務とされ、今後の国の支援の見通しについても言及された。
さらに、議員からは給付金の配布に際して、混乱を避けるための周知徹底が求められた。実施に関して、石垣市長は、ウニ漁業の復興には数年を要する可能性が高く、国や道の支援を通じて市独自でも対応していくつもりであると発言した。議案は最終的に全会一致で可決され、これらの施策を通じて市民の生活を支援する方針が改めて表明された。