根室市議会の令和6年6月定例会では、人口動態や医療、人材確保に関する重要な問題が討議された。
一般質問は西田浩一議員から始まり、人口減少の課題について深く掘り下げる内容となった。根室市の人口は22,652人に減少し、前年同期比で453人の減少が記録されている。市長の石垣雅敏氏は、国を挙げての人口問題解決の動きの中で、根室市も厳しい状況に置かれていると述べ、引き続き子育て環境の整備や若年層に向けた施策の強化が不可欠であると強調した。
次に、西田議員は看護師等の確保対策について質問した。根室市は令和5年度から看護師確保総合対策事業を開始し、27名に就業準備金を支給した他、122名を表彰したと報告した。市長は、医療機関等の意見も取り入れながら制度の周知を進め、人材確保に努める考えを示した。
また、再生可能エネルギーによる発電施設の事故に触れた西田議員の質問に対し、石垣市長は4月に発生した火災について、消火活動に苦労したことや施設管理者への指導強化の必要性を説明。条例化についても検討が進められているが、今後の遺産継承の重要性を認識していると述べた。
また、エキノコックス感染症状況に関する質問では、根室地域の感染拡大の現状と対策が説明された。感染率は68.2%に達しており、駆虫薬の散布など対策が重要視されるべきとの意見が出た。
西田議員の提出した課題は、現在の人口対策や医療・福祉対策の内容から根室市の将来を見据えた取り組みの再確認に繋がった。市長の答弁からは、地域の特性や持続可能性を意識した施策の重要性が伝わっており、さまざまな方法で街の未来を構築する意図が感じられた。