令和5年6月20日、根室市議会の定例月議会で、行政報告を行った石垣市長は、ふるさと納税に関する取り組みや課題について詳しく述べた。令和4年度のふるさと納税実績は、82万9,461件、金額にして176億1,278万2,239円に達し、前年より約30億円の増加を記録した。このように、ふるさと納税は根室市にとって重要な財源確保手段となっている。市は今後も、寄附者の共感を得られるような事業や特色ある返礼品の提供を続ける意向を示した。
一方、ふるさと納税制度を巡る最近の情勢には、自治体間の競争や高額所得者のみが享受する優遇制度が影響を及ぼすなど、改善すべき課題がある。また、大都市が返礼品競争に参入することによって、小規模自治体の寄附が減少する懸念も広がっている。市長は、これらの課題に対しても慎重に対処しつつ、制度の健全な発展に努める意思を表明した。
自然環境や景観の保全についても市長は触れ、再生可能エネルギー導入における環境影響評価を求める声が高まっていることを認識している。特に釧路湿原国立公園や貴重な生物の生息地における発電施設建設には慎重さが求められる。市はガイドラインの策定に取り組み、自然環境を尊重した施策を進める方針だと述べた。
さらに、再生可能エネルギーの導入を進めるためには、市民や企業の理解を促進するための支援が重要であるとも言及した。特に、家庭や小規模事業向けのエネルギー導入に対する助成制度などを検討する意向を示した。ただし、大規模発電所による影響を考慮し、許可や指導要領を整備することも重要であると強調した。
消防行政の観点からは、墓地整備についても議論が交わされた。郡部地区の墓地入口道路の改善に関する要望を踏まえ、地域住民と連携を強め、より良い環境の整備を目指す方針を示した。市は、郡部の墓地においても石粉を使用しての整備を行う意向を表明し、地域住民への広報を重視する姿勢を見せた。