令和3年根室市議会の緊急議会が2月12日に開会され、議案が可決された。
今回の緊急議会では複数の議案が議題に上がり、特に議案第4号の令和2年度根室市一般会計補正予算(第10号)が注目された。財政課長の伊東英輔氏が補正内容を説明。除雪対策経費の増額に伴い、歳入歳出それぞれ3,000万円が追加されることが報告された。また、今後の予算計画においては、除雪対策に要する重機借り上げ料の増額が重要な課題とされている。これにより、除雪体制の強化が期待される。
次に、議案第5号、根室市病院事業会計補正予算(第5号)に関する質疑が行われた。病院事務長の加美山勝政氏が、返還金の滞りに関して市民へ謝罪した。具体的には、令和2年に北海道厚生局から指導を受け、患者様への返還が長引いた事態について説明。返還額が391万円4千円に達したことも示され、議員からの厳しい質問が相次いだ。特に「どうして返還が遅れたのか」という問いに対しては、業務管理の不備を認め反省の意を表した。しかし、議会内ではなぜこのような事態が発生したのか、責任の所在について不満の声が上がった。
さらに新型コロナウイルス感染症に関する議案第6号も審議された。五十嵐寛議員が新型コロナウイルス感染者への偏見を防止するため、条例の必要性を説いた。市長の石垣雅敏氏は、コロナ禍でつきまとう不安感を訴え、感染者や医療従事者を守るための施策が求められていると強調した。
今回の議会では、病院の財政問題や新型コロナウイルス対応に関する厳しい現実が浮き彫りとなった。市民からの信頼を取り戻し、持続可能な医療体制を確保するためには、引き続き努力し、透明性を持った情報開示が求められる。