令和2年9月の根室市議会では、人口減少と根室市創生総合戦略についての議論が活発に行われた。
議員の滑川義幸氏は、根室市の人口ビジョンと創生総合戦略の評価を求めた。市の調査によると、2020年8月末の人口は25,011人となり、前年同月比593人の減少を記録している。
この厳しい状況を踏まえ、滑川議員は今後の見通しや地域経済への影響を懸念し、市長に具体的な施策を問いかけた。市長の石垣雅敏氏は、人口減少問題の背景には、長年続く生産年齢人口の減少と死亡数の増加があると認識しており、経済、雇用対策の必要性を強調した。
また、滑川議員は観光振興施策についても質問し、新型コロナウイルスの影響を受ける観光産業の現状と今後の見通しについて市長の見解を求めた。市長は、昨年の観光振興計画に基づく施策を実施しているが、厳しい現状が続いていることを認めた。観光関連の支援策のさらなる強化を検討しているとした。
さらに、企業誘致への取り組みについても議論が交わされ、地域経済の発展につながる施策の重要性が指摘された。市長は、企業誘致による新規雇用の創出が市の発展に寄与すると述べ、この施策の推進を続けていく意向を示した。
このように、根室市議会では人口減少をはじめとする様々な課題に対し、真摯な対話が行われ、市民生活の向上と地域振興に向けた具体策が求められている。ただの数値の減少に留まらず、その裏にある市民の生活や地域の未来を見据えた取り組みが期待されている。