令和5年9月定例月議会が根室市で開催された。議会では、一般質問や補正予算の議案が審議された。本議会では、特に空き廃屋工場の管理問題と高齢者支援が主要テーマとして取り上げられた。
議会において、議員の五十嵐寛氏は空き廃屋工場について言及した。根室市内の空き家は690戸に上り、管理不良のものが265戸と報告された。五十嵐氏は、廃屋工場の現状と危険性を指摘し、「消防署も火事のリスクを懸念している」と述べ、市としての即時対応が必要であると訴えた。
市長の石垣雅敏氏は、「適切な管理の促進が重要で、所有者への指導を引き続き行っていく」と述べた。さらに、五十嵐氏は隣接する水産加工場などへの影響についても懸念し、行政の積極的な取り組みを求めた。特に法人格を持つ工場所有者との連絡が難しい点を強調した。
また、高齢者の一人暮らしについても議論が行われた。五十嵐氏は実態調査を基に、「高齢者の一人暮らしが増加しており、孤立感が広がっている」と指摘した。これに対して、健康福祉部長の斉藤貴志氏は、「地域包括ケアシステムの推進が重要」とし、自治体が地域と協働し高齢者の生活支援を強化する意向を示した。
今後も議論が注視される中、項目ごとの補正予算が審議された。議案第77号から第82号までが提出され、昨年度の収支を見直し、歳入歳出の確保を行うことが決定された。特に、ふるさと応援寄附者への返礼品購入経費など、多岐にわたる補正が含まれている。