令和元年12月定例根室市議会が10日に開催され、市の防災対策に関する質疑が行われた。議員は、冒頭で災害時の避難所の現状を踏まえ、今後の改善策を求めた。市長の石垣雅敏氏は、指定避難所において一部解除や見守りが必要な高齢者や障がい者のために別スペースを設ける必要性に言及。また、避難行動要支援者の名簿作成を進め、支援体制を強化する考えを示した。災害ボランティアセンターの設置について、社会福祉協議会との協力を基に進め、災害発生後も迅速に支援できる基盤を築く意向を語った。さらに、在宅で医療機器を使用している方々の災害時の電源確保の重要性を訴える中、支援策の検討も行っていく方針を明らかにした。
教育行政に関しては、特別支援教育の充実が話題に上った。教育長の寺脇文康氏は、通級指導および特別支援学校の環境整備の必要性を強調し、今後の支援体制拡充を約束。また、子どもたちの学力向上に向けた取り組みについても、現状を意識しつつ継続して行うことが必要との認識を示した。
また、市民の利用しやすい行政サービスの提供として、LINEを活用したサービス導入の検討も行われ、市長はその可能性を前向きに捉え、調査研究を進める意向を表明した。
議員は、将来的に地域ケアシステムの強化や福祉避難所の設置検討の重要性についても言及し、連携強化を求めるなど、地域に根ざした施策の充実を訴えた。議会内では各議員からの活発な質問が続き、市としての次なる一手が求められる対応が必要であるとの意見が多く出されていた。
今後、地域や関係機関との連携を強化し、市民が安心して生活できる環境整備が進むことが期待される。