令和5年第5回庄原市議会定例会が開催され、主要な一般質問が行われた。
議題の中心は、若者の奨学金返還支援や地域の高齢者向けサービス、鳥獣被害対策など多岐にわたった。特に、横路政之議員が提起した奨学金の返還支援策は注目を集めた。横路議員は、「現在、大学生の半数が奨学金を利用しているが、返還の苦しさが現実である。地方創生の観点からも、この支援制度を導入すべき」と強調した。
これに対し、木山耕三市長は、「県内で既に実施している自治体の取り組みを研究し、本市でも類似の施策を検討したい」と述べた。また、早急に情報を集めて実行可能なプランを模索するとした。
さらに、議会では庄原市西城総合運動公園のトイレ改修についても議論が行われた。藤原洋二議員は、トイレの腐朽状態について言及し、「多くの方が利用する機会が増えているので、早急に対応が必要である」と訴えた。教育長は、トイレの新設や改善計画についての取り組みを説明し、その重要性を強調した。
また、鳥獣被害に関する取り組みも議題に上がり、市長は「イノシシ等の捕獲頭数を増加させ、具体的な対策に取り組んでいる」と明言した。
加えて、狩猟免許試験の実施日程についても言及され、地域住民が参加しやすい時期への変更を求める声が上がった。市長は、県に要望する考えを示し、労力を要する課題に積極的に取り組む意向を示した。
特に重要なテーマとして、杉やヒノキなどの地域材を活用した林業振興策についても言及され、議会では「林業に関わる若者を増やしていくためには、より強力な施策が必要だ」との意見もあった。市が積極的にコミュニティを形成し、林業に舵を切らなければならない時期にあると考えられる。
これらの課題に対しては、各市民からの意見聴取が続けられており、地域の声を基にした柔軟な政策が今後も必要される。市としては、持続可能な地域づくりへの強い意欲を示しつつ、さまざまな分野での課題解決に向けた取り組みが求められた。