庄原市議会では、令和2年3月定例会が開催され、新型コロナウイルス感染症対策や市内の医療機関の対応について議論が交わされた。
特に新型コロナウイルス感染症に関する発言では、木山耕三市長が、感染症の疑いがある場合の市民の対応について詳細に説明した。感染症の症状が現れた住民は、まず北部保健所に電話相談し、必要な場合には県内の帰国者・接触者外来で検査を受ける流れとなる。検査施設の公表はされていないが、医院の指示に従い検査を受けることが求められている。検査結果は最初の結果確認まで8時間程度かかり、陽性の場合は隔離されるため、行政と医療機関間の連携が鍵となる。
また、学校が新型コロナウイルス感染症対策として休校を余儀なくされ、この状況に応じて放課後児童クラブを開設しているに対し、保護者たちは不安を持っていることが取り上げられた。特に保育所に関しては、他団体からの意見も参考にしながら、扁平な対応を求める声が上がった。それに伴い、保健医療課は市民の健康を第一に考え、しっかりした相談窓口の設置や情報発信を行う必要性が増している。
さらに、教育の現場では、イエナプラン教育についても触れられた。教育長は、温かい学びを実現するイエナプランの利点を紹介したが、現在の教育制度や方法との整合性が難しいという現状が明かされた。この段階で、新たな取り組みとして、地域性を生かした教育方式を模索することの重要性が示された。
また、ペレット製造事業についての議論では、庄原市が森林資源を有効活用しようとしたにもかかわらず、原材料価格の高騰が課題となり、製造を休止している現状が明らかになった。森林環境譲与税を使用した施策を通じて、ペレット事業の再生も視野に入れて検討されているが、その実現には慎重であるべきとの見解が述べられた。
最後に市長は、地球環境問題に関する意識を高めることの必要性を強調しつつ、今後の施策においても一層の連携と国民への情報提供を通じて市政を進める意向を示した。市民生活に寄与するためには、行政、教育、環境といった多角的な視点からの施策が求められている。