令和5年12月の庄原市議会定例会では、市長との対話を通じ、農業振興及び地域の交通政策についての重要な議論が行われた。まず、農業振興に関する質疑があり、出席した議員からは後継者不足や労働力不足の課題が指摘された。特に前田智永議員は、庄原市の農業振興計画の中で高齢化や後継者問題に対する具体的な施策について質問した。これに対し市長の木山耕三氏は、「深刻化する担い手不足を解消し、産地を維持・強化するために新しい農家に取り組む人や組織の確保が求められている」と述べた。
さらに、一般質問では、林高正議長が農業者との意見交換の重要性を強調し、地域の農業者が有害鳥獣による被害に苦しむ現状を訴えた。そこで、市民と農業者が直接話し合う場を設けることや、学校との連携を強化するべきとの意見が交わされた。
また、交通政策に関しても議論が盛り上がり、特に地域の移動手段としての鉄道の重要性が再認識された。特に谷口隆明議員は、地域公共交通活性化法について言及し、「国が責任を持って広域鉄道の維持に関与すべき」と主張した。市長もそれに同意し、国に対して要望を続ける意向を示した。
医療法人社団光仁会の撤退問題についても重要な議論が交わされた。議会は、医療法人の撤退が市民に与える影響を懸念し、患者の継続的な診療の確保について質疑が行われた。市は医師会との連携を強化し、新法人の設立による運営の継続を図る方針を明らかにした。
最後に、スポーツによるまちづくりについての質疑も行われ、今後の合宿誘致の計画が再確認された。市長は運動施設の整備に向けた方向性を示し、至学館大学との協定を通じて、スポーツ振興に関する具体的な施策を推進する考えを表明した。
多岐にわたる課題について議論された今回の定例会は、市民の生活向上と地域振興に資する施策を生み出す重要な一歩となることが期待される。