令和5年3月8日の第433回定例会において、大野市の未来を見据えた多様な課題について議論が展開された。
市民の声を代表する形で質問した猪嶋清文議員は、文化会館の今後について触れた。猪嶋氏は、耐震上の問題で文化会館が令和8年に使用できなくなるとの懸念を表明し、建設や代替施設に関する具体的なスケジュールを求めた。これに対し、地域づくり部長の横井一博氏は、基本計画の策定や利用団体からの意見収集を行うと説明した。
続いて議論されたのは、大野市水循環基本計画の進捗状況である。再生水の利用や水田たん水の実施状況などを説明する中で、環境・水循環課長の田中九一郎氏は、実施した施策や現在の地下水状況について具体的なデータを呈示した。特に、昨年度の取り組みにより地下水位の回復がみられたと強調した。
また、特定外来生物の問題も取り上げられた。猪嶋氏は、九頭竜湖でのコクチバスの繁殖について懸念を示し、市の積極的な駆除活動への協力を求めた。この問題に関して、農業林業振興課長の帰山康一朗氏は、調査や捕獲活動の詳細を明らかにし、今後の取り組みについて述べた。
さらに、脱炭素ビジョンについても多くの議論がなされた。豊かな森の保全によるCO2吸収促進が目指される中で、林業の担い手不足が課題として浮上。帰山議員は、この新たな担い手確保に向けた具体策を求めるコメントをあり、さらなる支援施策への期待が寄せられた。
そして、帰山寿章議員による質問では、脱炭素なライフスタイルへの転換のため、市民への周知をどのように行っていくのかが問われた。市としては、脱炭素ビジョンの策定を進め、必要な情報の提供に努める方針が示された。
最後に、小水力発電の導入について、稼働している施設の状況や今後の計画について質疑が交わされた。環境・水循環課長の田中氏は、運転状況について把握していないとしながらも、既存設備の有効活用が重要である旨述べた。