いすみ市の9月定例会の一般質問では、多くの議員が市政に関する重要なテーマを取り上げた。
特に元吉栄一議員が提案した認知症基本法に関わる施策についての質問が注目される。この法案は、認知症患者が尊厳を持ち、希望を抱きながら生活できる社会を実現することを目的としている。
元吉議員は、いすみ市でも認知症の支援策が必要であり、具体的には認知症サポーターの養成講座や地域での啓発活動が重要であると述べた。市側からは、健康高齢者支援課長の丸眞弓美氏が、「今後の施策では、地域に根ざした支援体制の整備を進め、認知症の理解促進を目指す」と強調した。
また、議論は農業耕作地域内の道路整備にも広がった。元吉議員は、農業にとって重要な道路が多く傷んでおり、改善が必要であると指摘。建設課長の浅野泰氏は「現行の限られた予算内での補修を進めている」とし、今後も農業の支援を続ける姿勢を見せた。
さらに、観光拠点における屋外Wi-Fiの設置についても言及があった。せんだ雄太議員は、屋外無料Wi-Fiの整備が外国人観光客の利便性を高め、訪問情報を発信することで市の認知度向上に寄与することを訴えた。市側は、今後、調査を行い、設置の可能性を探ると述べた。
最後に、違法な土砂の埋立てについては、田井秀明議員が強く訴えた。市での取組として「市内での不法埋立ての現状を注視し、厳格な監視体制を構築する」との答えがあったが、議員からは「もっと厳重な措置が必要」との意見が相次いだ。議会では、今後も市民にとって安心安全な環境を維持するための強力な対策が求められている。