令和3年6月25日、豊橋市議会が行った定例会では、28件の議案および報告が審議された。この中で特に注目されたのは、補正予算に関する議案と新型コロナウイルス関連の条例改正である。
最初に、議案第50号の令和3年度一般会計補正予算(第5号)が報告された。福祉教育委員会委員長の松崎正尚氏は、特別養護老人ホームつつじ荘における食費の改正について説明した。この改正案は影響を受ける利用者数が特別養護老人ホームの入所者50名中16名、ショートステイ10名中7名、デイサービスの13名全員であることに言及した。松崎氏は、入所者に対する負担が増加することで、年金生活者にとって難しい選択を強いられると述べた。
次に、議案第51号の令和3年度総合動植物公園事業特別会計補正予算において、斎藤啓議員は、インドから寄贈される三頭の象について質疑を行った。市が寄贈を受け入れる背景には、動物園での雌群れを形成する必要性があるとしつつ、具体的な議論が市民の間でなく進められている必要があると主張した。さらに、斎藤氏は動物飼育についての社会的合意形成の重要性を強調した。
その後、議案第58号の豊橋市総合老人ホームつつじ荘条例の改正に対する意見についても討論が行われた。鈴木みさ子議員は、条例改正が施設利用者の経済的負担を不当に増やすものであると反対の立場から意見表明した。この討論では、高齢者のQOLが一因として指摘され、経済的な支援と改善が求められた。
補正予算の中で新型コロナウイルス感染症対策を掲げている議案は、全会一致で可決された。健康部長の撫井賀代氏は、82件のスクリーニング検査を通じて、高齢者入所施設における感染症対策の強化を訴えた。今後の検査体制は高齢者以外の世代にも拡大されるべきとの意見も出され、急務であるとされている。
さらに、新型コロナ感染症から生活に困窮する市民をターゲットにした生活困窮者自立支援金給付事業についての議案が報告された。支給要件としては、社会福祉協議会からの資金を最大まで使用した世帯で、月額6万円から10万円を三ヶ月支給するものである。この中でも市民への周知徹底が強く求められた。
このように、豊橋市議会の定例会では、コロナ対策や福祉政策に対する多くの意見が飛び交い、地域住民の福祉向上がより強く要求される結果となった。今後もより良い形で福祉施策・補正予算が執行されることが期待される。