令和3年6月28日、刈谷市議会が定例会を開催し、様々な議案や請願が審議された。
特に注目を集めたのが、議案第40号の「市営住宅明渡し等請求事件」についての提起である。議案では、滞納家賃が問題となっており、3名の市営住宅入居者に対して訴訟を提起することが提案された。滞納者の中には、収入減少を理由に滞納が続いている場合もあり、反対意見も多く出た。
日本共産党議員団の牛田清博議員は、現在の社会情勢を踏まえ、生活困窮者への支援を求めるべきだと訴えた。「市営住宅は生活困窮者にとってのセーフティネットであり、厳しい状況にある入居者の生活を支える責務が自治体にはある」と強調した。このような意見は、他の議員からも支持を受けたが、一方で賛成意見も聞かれ、賛成多数で議案は可決されることとなった。
また、議案第41号の「前新田旧排水機場明渡し等請求事件」に対しても厳しい意見が寄せられた。過去に排水機場の運営を担った住民に対する明渡し請求については、長年の貢献を無視した形での法的措置が提起されているとの批判が相次いだ。特に、清風クラブの議員達は、市としての対応に疑問を呈し、明渡しに向けた支援欠如や、適切な住居の紹介不足を指摘した。
さらに、議案第43号の令和3年度刈谷市一般会計補正予算(第2号)においては、生活支援金の支給に関する議論が行われた。議案は賛成多数により可決され、特に生活困窮者への支援が求められる中で、この支援金は重要な役割を果たすと期待されている。
請願に関しては、消費税率の引き下げや核兵器禁止条約への署名を求める請願が出され、これも賛否が分かれたが、いずれも不採択となった。特に消費税率引き下げに関する請願には多くの反対意見が聞かれ、逆に生活保障の必要性が叫ばれた。
最後に、今回の定例会では、ゼロカーボンに向けた取り組みへの賛成意見があり、環境問題に関する意識の高まりが伺われた。全体として、刈谷市における生活困窮者支援や持続可能な社会実現に向けた議論が活発に行われたことが特徴的だった。