令和3年9月の刈谷市定例会では、各議題に基づく議論が行われ、特に教育、福祉、避難所運営に関する問題が焦点となった。
重要なテーマの一つに教育問題があり、城内志津議員は全児童生徒が楽しく過ごせる学校づくりを訴えた。特に、校則の見直しや中学校制服の標準化について意見を述べた。彼女は、学校教育には過度な校則が存在するとし、不登校の背景には校則が影響を及ぼし得ると強調した。また、教育部長の宮田孝裕氏は、不登校の児童生徒数が増加していることを認め、その影響には学校の校則が関連しているのではないかと述べた。具体的には、令和2年度には244人が不登校の状態であるというデータが示された。
もう一つの焦点は福祉施策の推進である。佐原充恭議員は生涯現役のまちづくりについて問うた。市の高齢者の就労意欲は高まっているが、実際の就労人口は限られているため、新たな受け皿を作る必要があるとし、シルバー人材センターの重要性を強調した。福祉健康部長の村口文希氏は、地域の高齢者対策に積極的に取り組んでいく考えを示した。
さらに、コロナ禍の影響が保育現場に及ぼす影響も指摘された。保育士の間でマスク着用が求められる中、子どもたちの表情や声が聞き取りにくくなるなどの影響があると報告された。次世代育成部長の斉藤公人氏は、こうした中においても子供たちの人間関係を構築し、安心安全な保育環境を維持するために工夫していくことが重要だと述べた。
そのほか、災害時の福祉避難所の役割についても議論され、特に障がいを持つ方への配慮が必要であるとの意見が多く出た。福祉健康部長は、必要な支援を行うために、福祉避難所の充実を図る必要性を強調した。これは、災害時に様々な背景を持つ市民が安心して避難できるようにするためである。
全体として、刈谷市における教育、福祉、災害への備えに関する議論が行われ、市民に対するサービス向上への取り組みが引き続き求められることとなった。
市政府側は、各種施策がコロナの影響を受けながらも、市民のニーズに応えつつ進められていることを説明した。今後も市政は、市民サービスの向上に向けて努力していく意向を示した。