令和1年12月の定例会で、刈谷市議会は持続可能なまちづくりに向けたさまざまな施策について議論を進めた。具体的には、鈴木絹男議員はSDGsや市長の政治姿勢について質疑し、持続可能な開発目標を市の施策にどのように反映させていくかを問うた。企画財政部長の鈴木克幸氏は、国の方針に基づき第8次総合計画にSDGsの考えを盛り込むことで、刈谷市が将来にわたり持続可能な発展を目指すと強調した。また、グラウンドゴルフ場の整備についても背景と現状を掘り下げ、いかに地域のスポーツ文化を育てていくかを追求した。
また、外山鉱一議員は刈谷特別支援学校について詳細に質疑し、特別支援教育の充実を目指す市の努力に期待を寄せた。教育長の金原宏氏は、特別支援学校が地域の人々と共に成長する場である夢を描くと、その果たす役割の重要性を示した。
加えて、地域コミュニティの活性化について、牛田清博議員は自治会加入の促進が地域の結束を強める重要性を強調。市民活動部長の西村日出幸氏は、住民一人一人が地域課題を自分事として捉える重要性について述べ、共助の姿勢を強調した。
災害対策については、生活安全部長の小澤正平氏が、河川の管理や水源浄水場の災害対策の重要性について詳しく説明した。特に東海豪雨や近年の台風に鑑み、災害時の水道供給の継続が市民の命を守るために不可欠であるとした。
さらに、ジェンダー平等を目指した取り組みとして、来年行われる日本女性会議に向けた準備状況が報告され、男女共同参画の意識啓発が進む中で、住民への周知が進められている。市民活動部長は、未来を創るための「ミライク会議」という親しみやすい名称を用いて、より広く議論の場を整えていくと述べた。
今回の定例会では、公共交通施策や課題に関する意見も交わされ、地域の移動手段の確保が今後の重要なテーマとして浮き彫りになった。市としても、生活交通を含む多様な交通手段を考慮し、地域ごとのコミュニティ形成を支援する施策を推進しなければならない。地区によっては交通空白地域が存在し、今後の整備の計画が求められていると指摘されている。
今回の議会の中で浮かび上がったのは、地域全体での共助の力がこれからのまちづくり、ひいては災害への備えにも繋がるということであり、市民それぞれの意識と行動が問われている。