令和5年6月の刈谷市議会定例会において、市民生活に密接に関わる重要なテーマが多く議論された。
特に印象的だったのは、物価高騰に伴う市民生活支援の具体策である。市議会での質問に対し、「牛田清博議員」は幼児園・保育園の給食の無償化について問うた。次世代育成部長の「斉藤公人氏」は、令和4年度の実績から試算したところ、幼児園約7,200万円、保育園約6,100万円、合わせて約1億3,300万円が必要であると述べた。これに対し、牛田氏は、経済的に厳しい環境の中、給食の無償化が助けになると強調し、是非とも実施を検討するよう求めた。
また、高齢者施設の問題もクローズアップされ、特養ホームへの入居待機者数が59人であるとの報告もあった。「牛田議員」は年金で入れる施設の不足や、医療費の無償化を訴え、福祉の充実を求め続けた。福祉健康部長の「加藤雄三氏」は、待機者の実情を訴え、今後も高齢者支援を強化していく意識を示した。
同時に、公共インフラの老朽化も重要な議題として挙げられた。特に水道事業について、今後の収支が厳しい見通しとなる中、経営改善策としての具体的な取組が必要と強調された。水資源部長の「外山伸一氏」は、接続促進や無駄水対策に取り組む考えを示し、地域の安定した水供給だけでなく、経営基盤の強化にも努める姿勢を表明した。
また、選挙に関する質問も多く寄せられた。「鈴木浩二議員」は、投票率の低下を問題視し、より多くの市民に選挙を身近に感じてもらうための啓発活動の拡充を求めた。総務部長の「星野竜也氏」は、SNSや広報車の利用、学校での模擬投票などを通じ、選挙の重要性を訴える取り組みを進めていると説明した。
誕生時から終末期まで市民生活を支える施策は、今後ますます重要性が増すだろう。市役所は、これらの課題に対し確実に対応しながら、刈谷市の未来を支える施策を推進するとともに、企業との協力体制を模索し、持続的な地域の成長を目指すべきである。