令和4年3月7日、刈谷市議会が開かれ、各議案の審議が行われた。特に注目されたのは令和4年度の一般会計予算で、合計約400億円の規模が提案され、主に教育、福祉、インフラ整備に振り分けられる見込みである。市長は、「市民の安全と福祉を第一に考えた予算編成を行った」と強調した。
中でも、刈谷市では住民税非課税世帯への10万円給付の現状に関する質疑が多く上がった。山本シモ子議員は、「生活困窮者に対する支援強化が必要ではないか」と提言し、具体的な支援策を求めた。福祉健康部長の村口文希氏は、「可能な限り早急に支援を行う」と述べたが、予算の制約に対する懸念を示した。
また、教育の現場では不登校問題が重要であるとの認識のもと、牛田清博議員が「心のケアの重要性を強調し、スクール・ほっと・アシスタントの導入を支持」と発言。小中学校の不登校児童の増加に対しても、教育部長の宮田孝裕氏は、「引き続き支援体制を強化していく」と述べた。
さらに、黒川智明議員はスマートシティ構想の進展についても質問を投げかけ、企画財政部長の西村日出幸氏は、「先進技術を活用して市内の課題解決を図る」との意向を示したことが印象深かった。しかし、実証実験の際に「市民生活が豊かになるよう努めることが第一である」とも併せて語った。
加えて、公共交通の現状も浮き彫りになった。運転手不足に対して、都市政策部長の石原章氏は、「企業との連携が重要」としつつ、今後の対応策として,地域住民への運転手の委託についても言及。現場の人手不足に対処する必要性が認識されていた。
今後の課題として、各種施策の実施に際し、ただ単に行政の方針を示すだけでなく、市民との対話をより密にし、共に育てていく姿勢が重要であると言える。市議会では市民生活の向上に向けた討議が続けられ、予算案についても精力的に審議が求められる姿勢が期待される。