令和2年12月9日、長門市議会の定例会が開催された。議事の中心は延々と続く一般質問であった。特に農業や観光事業に関しては、多くの議員から様々な意見や質問が寄せられた。
最初に、有田茂議員が水稲への甚大な被害に関して質問を投げかけた。トビイロウンカの飛来により、市内の稲作農家は苦境に立たされているという。これに対し、市長の江原達也氏は、農業者の再生産意欲を向上させるため、今後も関係機関と連携していく旨を強調した。
また、農業の後継者問題も大きなテーマに挙がった。若手農業者の減少が進む中、有田議員は後継者を育成する必要性を訴えた。市長は農業支援の拡充と環境整備に向けて全力を尽くす方針を示し、地域に根ざした農業の振興を図っていく考えを表明した。
議席をあけると、観光施策についての質疑も行われた。特に、長門湯本温泉の利用者数の増加と観光地としての魅力向上に向けた取り組みが議論された。綾城美佳議員は新たにオープンした「恩湯」や飲食施設への集客努力を求め、市長および経済観光部は市民と観光客の両方に受け入れられる施策を進める意義を強調した。
市長は、「観光は地域経済の重要な要素なので、地域の皆様との連携が不可欠。この町をより良くするために市民の意見や地域の声を大事にし、施策に反映させていく」と述べた。また、観光施策の評価は市民の意見だけでなく、専門家の視点も重視されることが重要との見解を示した。
一方、湯本温泉の新しい駐車場の有料化に関する問題も取り上げられ、市民からの不満の声が寄せられている点に触れ、今後の方針について市長が十分な配慮を行う必要性を強調する場面も見られた。