令和3年12月8日の長門市議会では、地域福祉、救急医療、教育に関する重要な議題が取り上げられた。特に通学時の荷物の重量についての議論は深刻な懸念を呼び起こしている。林哲也議員は、子どもたちが背負うランドセルの重さが健康に与える影響を指摘した。1年生で約3から4キログラム、6年生では4から5キログラム、中学生になると9から10キログラムに達する。これに対して、教育委員会は通学時の安全確保や見守りを学校と地域で協力し強化していると述べたが、その効果については疑問視されている。
加えて、救急搬送体制の強化に関する質問も取り上げられた。江原達也市長は、地域の医療体制の充実を求めており、特に高齢者医療の重要性を強調した。令和2年には高齢者の搬送割合が77%に達しており、安全に医療を受けるための体制強化が急務であるとした。市は専門医の確保や救急搬送のスピードを上げる取り組みを推進している。
さらに、新たな施策として再生可能エネルギーの活用可能性が議論された。市はバイオマスや小水力の導入を検討しており、地域特性に適した再生可能エネルギー資源の利用が地域経済の活性化につながる可能性がある。市長は、地域住民が気軽に再生可能エネルギーを利用できる仕組み作りを目指し、農業との連携も視野に入れている。
最後に、油谷地区小さな拠点づくりの基本構想が紹介された。支所の移転問題は、地域住民の間での感情的な論争を生んでいる。市は住民とのコミュニケーションを重視しており、地域支援体制の強化に向けて、様々な施策を進める意義を再確認した。地域の未来づくりは単なる行政施策ではなく、市民の理解と協力が必要不可欠であるとの認識が強調された。