令和2年第5回長門市議会臨時会が開催され、重要な決算認定が行われた。
この会議では、江原達也市長が四つの特別会計の決算に関する行政報告を行い、特に新型コロナウイルス影響下での経済対策が焦点となった。市長は、長門市民助け合い応援券発行事業の利用実績を報告し、利用額が1億6091万5000円、利用率が95.8%に達したと述べた。これは、宿泊業や飲食業支援を目的としたもので、市民全体による消費の活性化に大きく寄与した。
また、長門湯本温泉街再生プロジェクトが2020年度グッドデザイン賞を受賞したことも報告され、国際的な評価につながった。江原市長は、「地域住民や事業者との公民連携による持続可能な地域づくりが評価された」と、高く評価した。
会議では、9月定例会議案第19号から第23号について一括上程がなされ、特に予算決算常任委員会は令和元年度長門市一般会計歳入歳出決算について、賛成多数で認定すべきとの報告を行った。予算決算常任委員長の重村法弘氏は、決算の結果を次年度の予算編成に活かす必要性を強調し、特に事務事業のスクラップ・アンド・ビルドが重要であるとし、執行部の検証を求めた。
また、財政指標に関しての質疑も重村氏からあり、実質公債費比率は前年度と比較して低下した一方で、将来負担比率は大幅な上昇を示していることが課題となった。執行部は大型事業に対する借入れ等の状況を解説し、公共サービスの持続可能性に向けた検討を促した。これは市民の利益に直結する問題でもあり、議員の間でも意見が分かれる重要なテーマであった。
特に介護保険、国民健康保険、後期高齢者医療事業の特別会計の歳入歳出決算も同様に報告され、質疑が続けられた。議員からの質疑では、滞納処分の詳細や未済額の要因、医療費の推移などが議論され、市民生活へのさまざまな影響が懸念されていることが浮き彫りとなった。
このように、令和元年度決算については認定される意見が多数であったが、市財政に対する将来的な懸念も議会に共有される結果となった。議場では、江原市長への要望について協議され、21件にわたる要望がまとめられた。