令和3年6月28日、岩国市議会の第3回定例会が開催された。この会議では、主に議員定数の削減が議論の中心となった。
議案第2号では、現在の議員定数30人を28人に減少させる改正が提案された。提案者の植野 正則議員は、現在の人口や財政状況を踏まえ、議員数の適正化が必要であると訴えた。彼は、過去の合併以降、議員数が徐々に削減されてきたことを指摘し、現状は市民の声を十分に反映できていないと強調した。
一方、議論の中で反対意見も多く出され、特に松川 卓司議員は議員定数削減の根拠が不明瞭であるとし、慎重な議論を求めた。彼は岩国市における米軍基地の特殊性を指摘し、地域の声が議会に十分に届かなくなる懸念を表明した。
議会制度検討委員会においては、9回にわたり議論が行われ、最終的に全会一致で可決された。この中で、定数削減の影響についても各議員からの質疑が活発に行われ、具体的な経費の削減や市民との距離感についても意見が交わされた。議員全体の意見がまとまりきらず、一定の方針が決まるまでに至らなかったとの声もあった。
福田 良彦市長は補正予算に関して、新型コロナウイルス感染症への対応として支援金を計上し、その必要性を訴えた。さまざまな意見が出る中、3,800万5,000円の支出を予定する補正予算は、議会で可決され、今後の運営に向けた支援が期待される。
議案の採決では議員提出の意見書や条例改正が相次ぎ可決され、地方財政の充実や強化に関する意見が再確認された。新型コロナウイルスによる影響を踏まえ、地方自治体への支援が重要であるとの合意が形成され、議会は多様な市民ニーズに応える姿勢を示している。