令和3年6月18日、岩国市議会第3回定例会が開催され、市民生活に密着した議題が数多く取り上げられた。
特に、一般質問では、重岡邦昭議員が改正された瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく施策について詳細な質問を行い、現地の漁業環境の改善へ向けた市の取り組みについて議論が交わされた。重岡議員は、「瀬戸内海を『痩せた海』から『豊かな海』へと蘇らせる」ために、具体的な施策を示すべきと強調。具体的には、水産業振興基本計画や海洋プラスチックごみの漂流防止策、新規漁業就業者の確保について質問を行った。
この質問に対して、沖田通浩農林水産担当部長は、岩国市が進める水産業振興計画に基づいて様々な施策に取り組んでいると報告。また、海洋プラスチック問題についても、地域の自治体や漁業協同組合との連携を図り、環境保護に努めていると述べた。沖田部長は、「新規漁業就業者の確保には厳しい状況が続いているが、地域振興を通じて支援を行う」との姿勢を示した。
さらに、重岡議員は在日米軍再編に関連する市民の心構えについても質問。一部住民の間には安全性への不安が広がっていることを踏まえ、市長の見解を求めた。市長の福田良彦氏は、「市民の命を守ることを最優先に、国の防災政策にしっかりと準じた対策を講じる」と回答し、市の防災計画についての具体的な取り組みを強調した。
次に、議案第81号の「令和3年度岩国市一般会計補正予算」についての審議では、新型コロナウイルスの影響を受けた低所得の子育て世帯への支援が含まれており、その重要性が再確認された。福田市長は、児童一人当たり5万円の給付金支給について説明を行い、この補正予算は市民の生活支援に必要不可欠であると述べた。
最後に、少人数学級の実現を求める意見書提出についても議論され、長岡辰久議員がその必要性を訴え、多くの賛同を得た。新型コロナウイルスの影響により、教育環境においても変化が求められている現状を受け、今後も市として取り組んでいく姿勢が求められる。議論を通じて、市民に寄り添いながら実効性のある施策が求められていることが改めて浮き彫りになった。