印南町では令和2年12月の定例会が行われ、議題には請願や教育問題が含まれていた。
請願第1号に関しては、「和歌山県に公立学校教員に1年単位の変型労働時間制を適用しないことを求める意見書」の提出が著名であり、その採決では委員会報告に基づき不採択とされた。特に教育現場での勤務状況について議論が交わされ、特に教職員の長時間労働の実態についても意見が集まった。藤薮利広議員からは、教職員の業務軽減が必要であり、制度導入の前に根本的な業務削減が求められるとの意見が出された。この点について、前田憲男議員は現行システムの見直しや時間管理について指摘し、教職員の健康保持に向けた措置の重要性を強調した。
次に、請願第2号「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度創設を求める」については、質疑と討論の結果、不採択となった。榎本一平議員は高齢化が進む地域において、補聴器が重要であるとの立場から賛成の意見を表明したが、予算面の厳しさから反対意見も多かった。
農業の観点では、11月20日に発生した突風による影響が深刻で、被害を受けた農家からは実態が報告された。ハウスが全壊した事例もあり、議員からは迅速な対応を求める声が上がった。企画産業課長は、復旧支援事業を設ける方針を示し、数回にわたり被害の規模を把握していることを報告した。
教育分野では、通学バスの運行状況が問われた。地域によりバスの使い方が異なっており、教育長は「歩いて登校することも重要な経験」との考えを示した。しかし、保護者からは通学距離や安全に対する不安が訴えられ、さらなる議論が必要だとの意見が出た。
最後に、高校の再編問題に関する質問もあり、県教委の考えに対する違和感を指摘した。統合による教育の役割が問われる中で、地域と学校の関係が重要視されていくとの見解が示された。
教育行政は今後も地域の声に耳を傾け、子どもたちのための柔軟な方針を持つことが期待されている。