令和5年3月の印南町議会定例会において、風力発電計画に関する重要な議論が展開された。
この計画は、印南町と日高川町の境近くに最大出力12万1,000kWの風力発電を設置するもので、住民の健康や生活環境に与える影響が懸念されている。特に、真妻地区では、高さ183mの巨大な風車が数十基設置される予定であり、住民の健康被害や環境影響についての不安が広がっている。
行われる住民説明会は、川又集会所での午後と夕方の2回が予定されており、この場で住民からの意見を求められることになっている。しかし、参加者には高齢者が多く、車の運転ができない住民が多いことから、この説明会が実際に全住民にとって十分な情報提供となるか不安視されている。行政側は、この問題を業者に強く認識させる必要があると考えている。
また、低周波音の問題も浮上しており、住民からは健康被害が出た場合の対応を心配する声が上がっている。今後、発生する可能性のある低周波音については、東急不動産も対策を講じる必要があると強調し、地域住民との協議が求められる。住民の理解を得ることが最重要課題であり、町として責任を持つ必要がある。
災害に対しても慎重な考慮が必要だ。印南町の防災計画によれば、地質特性からも土砂災害の危険性が指摘されており、大規模な開発がこれに影響を及ぼす可能性が懸念されている。特に、切目川ダムに影響を与えないよう配慮し、住民保護を最優先に考えなければならない。
コロナウイルスの感染症法の取扱いが5類に引き下げられることで、発熱や症状が現れた住民にはかかりつけ医への受診が奨励される。今後の正式な対応は、行政がこれまで構築してきた仕組みを見直しながら進められるべきである。