令和元年11月28日、墨田区議会は定例会議を開き、洪水対策や避難所の安全性について議論が交わされた。特に、台風19号による洪水警報や避難指示の発令を受けた対応とその反省、今後の安全対策が重要なテーマとして取り上げられた。
台風19号では、墨田区内での自主避難所の開設に関して課題が多く指摘された。特に、梅若小学校や押上小学校の避難所が開設された際の避難人数が、いずれもゼロだった点が問題視された。このことについて大瀬康介議員は、「避難所開設はどういう基準で行われているのか」と質問し、開設の判断基準についての明確化を求めた。区長の山本亨氏は、「避難所運営マニュアルを強化し、基準を明確化する必要がある」と応じた。
さらに、大瀬議員は、台風19号の際に一部の避難所が開設時に無人であった問題に対しても懸念を示した。避難所の運営は地域の協力を必要とするが、区と地域の連携が十分でなかったことの反省が検討されるべきだという意見が出た。特に、昨今の非常時においては地域の力が重要であり、平時からの地域との顔の見える関係の強化が不可欠であることが強調された。
避難所の役割については、適切な運営が求められるが、行政職員だけでなく地域住民が主体的に関わる体制作りが今後の課題である。田中哲議員も、避難所の収容人数とその適正化について問題提起し、新たな避難所の設置、改良を進める必要性を指摘した。現在の避難所設置基準では、人口に対する収容力が十分ではなく、災害時には適切な避難が難しいと訴えた。
台風19号の経験を踏まえ、今後は、避難所開設の基準となる具体的な指針が必要とされている。さらに、自宅避難についても効果的であった地域があった中で、災害時に利用される避難所の検討が続き、両方の選択肢を活用できるよう準備が進められるべきだ。
こうした様々な議論を通じて、墨田区は将来にわたる強固な防災体制を築くことを目指している。区民の安全を守るため、行政、地域、学校が一丸となって取り組む重要性が再認識された।