令和元年度墨田区議会定例会が令和元年11月27日に開かれた。この会議では、今後の予算編成や台風19号の対応策について、議員たちが活発に意見を交わした。
最初に、坂井ユカコ議員が令和2年度の予算編成について質問をした。彼女は、区の財政状況が安定している一方で、新たな行政需要に直面していることを強調した。山本亨区長は、区の財政基盤を強化すると述べつつも、社会保障関連経費の増加を懸念していることを明らかにした。特に、自然災害に関する予算の確保が重要であると考えられ、この点について慎重に検討する必要があるとした。
次に、台風19号への対応に関して、坂井議員が災害対策の見直しを求めた。台風による影響で多くの区民が不安な思いをし、逃げ場を失う事態が発生したことから、彼は今後の避難地点や情報発信の充実を訴えた。山本区長は、これまでの対応を反省し、迅速な情報提供体制の再構築を約束した。また、防災アプリのリニューアルや避難所開設キットの導入も今後の検討課題として挙げられた。
更に、まちづくりについての議論も行われ、議員たちが人口密度や市民生活の質の低下などの問題について意見を述べた。坂井議員は、人口が増えることのデメリットにも注意を払う必要があると指摘。適正人口についての再評価を求めた。区長は、人口増加がなされている一方で、将来的な人口減少に備える重要性について認識を示した。
会議はまた、住民が主人公のまちづくりの重要性についても議論された。過去の再開発事業において住民の意見が反映されない例があったことから、今後の区の政策決定には地域住民の参加を促す姿勢が求められている。
最後に、政治姿勢に関する質問が取り上げられ、区長の憲法9条改正に関する見解が問われた。区長は、国における議論であるため、個人としての意見発信は控えるとのスタンスを取った。これに対し、議員たちからは、より明確な姿勢を示すよう求める声が上がった。