令和3年3月、小笠原村議会定例会が開催され、重要な議題が数多く上がった。
この定例会では、新型コロナウイルス感染症への対応が特に重要視されている。
村長の森下一男氏は、村として国・東京都・関係機関との連携を強調し、様々な取り組みを進めていると述べた。具体的には、感染防止策として、東京港竹芝桟橋での健康チェックやPCR検査の実施が挙げられた。これにより、感染防止に努め、村内事業者の経済活動にも配慮した。
また、次世代の育成に向けた施策や、教育環境の整備についても言及された。父島小中学校の建て替えや、母島保育園の事業推進が次年度の予算に反映されることが確認された。新型コロナウイルスの影響がある中でも、これらの施策を実施していくことが強調された。
観光振興についても議論が交わされた。
村内の観光産業は、一時的には新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、昨夏以降、堅調な回復傾向を見せている。村長は、「安心安全が確保され、多くの方に小笠原の魅力を味わいたい」と述べ、エコツーリズムを核として、持続可能な観光産業を促進する方針を示した。特に小笠原のユニークな観光資源を活用し、訪問者の興味を引くような施策を検討しているという。
さらに、議会での質問に対して、村民の健康を守るため、シロアリの駆除対策についても言及がなされた。母島でのシロアリ被害が懸念される中、関係機関との連携を強化し、駆除対策を徹底することが提案された。今後、地域内におけるシロアリ群飛の状況を注意深く監視し、村民の貴重な財産を守るための取り組みが求められている。
最後に、議員から観光振興について、エコツーリズムの基本理念の再確認と、今後の観光施策を立案する場を設ける提案があった。この意見に対しても村は前向きに受け止め、村民や観光事業者と連携し、長期的な観光戦略を考える場を設けていく方針を示した。