令和5年6月9日に行われた小笠原村議会定例会では、複数の重要な議案について審議が行われた。最も注目されたのは、村税条例の改正を含む税制関連の議案である。
村長の渋谷正昭氏が提出した議案第31号では、小笠原村村税条例の一部を改正する理由が説明された。これは地方税法等の一部を改正する法律の施行に伴い、必要となった改正である。総務課長の杉本重治氏が、その詳細を説明する中で、個人村民税に対する扶養親族等申告書の簡素化や森林環境税の導入について述べられた。
安藤重行議員は、森林環境税の具体的な制度について質問を投げかけた。それに対し、財政課長の牛島康博氏が、来年度からの新税について明確に説明を行い、村民への広報のタイミングについても言及した。特に、11月か12月に村民だよりで詳細を広報する意向が示され、早期の周知徹底が求められるとの見解が示された。
また、議案第32号では、新型コロナウイルスの影響を受けた職員の給与に関する条例の改正が提案された。これは防疫作業手当を削除するものであり、村長がその理由を説明したが、質疑は無く、スムーズに可決された。
さらに、令和5年度の一般会計補正予算についての審議が行われ、歳入歳出予算の総額に7,656万4,000円を追加する議案第33号も原案通り可決された。この補正予算には母島保育施設の新築工事に関わる費用も含まれ、特に子どもたちへの影響が強調されている。
母島保育施設の新築工事に関する契約も発表され、建築工事は7億675万円で杉田建設株式会社が落札。さらに電気設備工事も、1億5,675万円で別の契約が結ばれた。
水道関連の工事契約についても数件審議され、送配水管取替工事が特に重要であるとの確認がなされた。このように、多様な議案が一体的に議論された定例会において、村の財政やインフラ整備への関心が寄せられていることが示された。
そして、特別委員会の設置に関する動議も可決され、小笠原航空路開設や硫黄島の調査に向けた取り組みが強化されることとなった。今後の進展が期待される。