令和2年2月26日に開催された鳴門市議会定例会では、主に公文書管理や公共交通の現状について議員たちが活発に議論した。
議論の中で、上田公司議員は「公文書は市民の財産であり、市の運営において透明性の確保が求められる」と述べ、公文書の作成や保存方法について市の対応を問うた。特に、愛媛県の事例を引き合いに出し、履歴の残る文書作成とその重要性を強調。公文書の紛失や未作成が市民の信頼を損ねる可能性があるとの懸念を示した。尾崎浩二事業推進監は「本市は自治基本条例に基づき、市民の知る権利を保障するとともに、公文書の管理制度再構築を進めている」と回答した。
上田議員は続けて地域公共交通についても言及し、市民からの不安の声を伝えた。特に大麻町からの移動手段や公共交通の充実が急務であるとし、新たな交通施策の必要性を訴える。この点について尾崎監は「鳴門市では地域公共交通ネットワークの形成を目指し、既存の交通手段を見直しており、アンケート調査を通じて市民のニーズを把握していく」と説明した。
特に、公共交通空白地域の問題に対する市の認識が不足しているとの指摘もあった。上田議員は「市が公共交通を重視している姿勢を示す必要がある。特に高齢化が進む中で市民の移動手段に不安を抱えている」と訴えた。尾崎監は空白地域の解消に向けて取り組む姿勢を示したものの、具体的な施策についてはまだしっかりとしたプランが提示されなかった。
次に、財政についての質問では、東谷伸治議員が「公文書管理のための予算確保と財政の健全化が両立する必要がある」と述べた。この件に関しても、尾崎監は「現行の予算配分を見直しつつ、市民の意見を反映させていく」との姿勢を示した。
このようにして、本日の議論は、鳴門市における透明性のある公文書管理や市民の生活に密接に関わる公共交通の充実を求める内容であった。市民からの信頼を維持し、公文書や公共交通の重要性を再確認する重要な機会となった。