令和5年鳴門市議会の第4回定例会が開催され、主要なテーマとして「人手不足」「ハラスメント」「市民の移動手段の確保」が議論された。
特に人手不足の問題が関心を集めている。市内の事業者からは、人材の確保が困難との声が相次いでおり、特に建設業や福祉業界においては深刻な状況が続いている。これに対して、鳴門市はアフターコロナ事業者支援パッケージを通じて、求人サイトへの掲載や求人パンフレットの作成など支援を行っている。
事業者の成長機会を阻む人手不足は地域経済に大きな影響を及ぼし、特に医療や福祉の分野からは「稼働率100%を達成できない」という声も聞こえる。事業者の業務効率化に向けたIT導入支援も行われており、市内企業の魅力を高める努力が続けられている。また、若者回復率やUターン促進など、地域での就業機会を創出する方法についても模索されている。
次に、ハラスメントについては、特にカスタマーハラスメント（カスハラ）の現状が考察された。最近、日本各地で報告されるカスハラ問題に対し、市は具体的なハラスメント対処研修を実施し、従業員の安全な職場環境の維持に向けて努力している。しかし、国からは統一的な基準が示されていないことから、現状把握には課題があるとされる。
最後に市民の移動手段の確保に関する議論では、高齢者の交通手段が重要なテーマに浮上した。高齢者が運転免許証を返納することが多くなる中、代替交通手段の必要性が高まっている。タクシーの供給力が低下していることも懸念され、地域住民のボランティアによる移動支援が注目される。市は、公共交通計画を策定し、送迎車両を活用した実証運行を行っており、地域住民主体の移動サービスの充実が期待されている。地域の課題解決には住民間の協力と新たな取り組みが求められる。
各テーマに対する具体的な施策や今後の方針が示され、鳴門市が直面する問題解決に向けて、議会は市と共に考えを深めていく必要があると強調された。