令和5年3月14日、鳴門市議会は定例会を開催し、重要な議案が取り上げられた。
中でも目を引いたのは「議案第28号 市道路線の一部廃止について」だ。市長の泉 理彦氏は、この議案を撤回したいと発表した。市民の理解が進んでおらず、説明不足と判断したからである。
この撤回には多くの反対意見が寄せられており、例えば上田 公司議員は、撤回を批判し、地元住民の間には不安が広がっていると指摘。彼は北灘町の彫刻公園が象徴的スポットであり、地元の意見を無視する形での道路廃止に強い懸念を示した。
「彫刻公園のオブジェは地元のシンボルだ。市道を廃止することが地域活性化に逆行する」と上田議員は述べた。彼はまた、市が適切な維持管理を怠った結果、道路廃止に至ったことを責め、市は市民の声を聞く必要があると主張した。
市長は、議案撤回の理由に市民への説明不足を挙げ、今後は市民にしっかりと理解を求めていく意向を示した。しかし、議会内では反対意見が多く、撤回を評する声は少なかった。
この議案は議会で賛成少数で不承認となり、撤回されないことが決定された。一方で、令和4年度予算に関する多くの議案については原案の通り可決された。特に、令和5年度一般会計予算は重点的に取り上げられ、予算決定がなされた。
議員たちは、今期も多岐にわたる議案について真剣に審議を行い、地域の声を反映した政策を推進する重要性が強調された。特に、新たな条例の制定や改正についても議論され、市はデジタル化や個人情報保護に関する取り組みを進める必要がある。
市の泉市長は、今後も地域の多様な声を反映させながら、持続可能な街づくりを目指す決意を表明した。議会での中での意見が市政にどのように生かされるかが注目されている。