令和3年鳴門市議会は6月14日、市長の泉理彦氏を招き、様々な市政に関する質問を行った。
特に、新型コロナウイルス感染症に関する施策については、議員からの鋭い指摘が相次いだ。藤田茂男議員は、ワクチン接種の進捗を尋ね、接種券の配布状況について、「高齢者を優先に進めている」という市長の回答に対し、迅速な対応を求めた。須藤克彦議員は、経済活動の厳しさに加え、特に観光業への影響を強調し、早期の経済回復を求める声も上がった。市民の懸念を受けて、泉市長は「市民の命と暮らしを守る」と再度誓った。
補正予算の提案も議題に上がり、長谷川尚洋事業統括監は「第11弾として、様々な支援策を組み込んだ」と報告。内容は新生児臨時特別給付金や、低所得の子育て世帯への支援などだと語った。また、藤田氏が提案した新型コロナの影響を受けた市民への水道料金全額免除の再実施については、「必要な時期と難しい状況を見極める」と述べ、検討の姿勢を示した。
環境問題への取り組みも重要視されており、藤田氏は「水素エネルギー利用の必要性」を提起。これに対し、市民環境部の三栖信征理事は、国の基本戦略を受け、水素ステーション設置の計画や周知活動を推進すると回答した。市長も「私たちの未来には再生可能エネルギーが欠かせない」と強調した。
最後に、従来の施策に加え、新たに「街づくりや存続に密接する企業支援」が必要との意見も出され、市長は今後の施策についても市民の声を重視する姿勢を見せた。この日、懸念を抱く市民の声を受け止めつつ、利害関係者との結びつきを強めることで、新たな未来へ向かう方針が示された。次期市長選挙に向けての政治姿勢も明確にし、多くの政策課題に対する回答が求められる中、鳴門市の進むべき方向性が問われている。