鳴門市議会では、令和3年9月の定例会において市政に関する一般質問が行われた。発言を通じて重要なテーマとして水環境施策や防災拠点の整備が浮かび上がりました。
まず、水環境施策について、12番の平塚保二氏は、市が推進する下水道事業の延長と加入率向上に関して疑問を呈しました。平塚氏は、徳島県の汚水処理人口普及率の低さを指摘し、「本当に水環境のためになさっておられるのか」と疑問を投げかけています。市の水環境を改善するためには、国や環境省が推進する合併処理浄化槽の導入が急務であると強調しました。このままでは整備されるまでに住民の居住実態が変わってしまう危険性もあると警鐘を鳴らしました。
市長の泉理彦氏は、下水道事業に関する議論に応じつつ、合併処理浄化槽の普及も進めていると答弁しています。受益者負担金制度の公平性についても議論が交わされ、平塚氏が持つ疑念に対し、市長は現在の制度の維持を支持したとのことです。特に受益者負担金が面積に基づくことに対し、様々な意見を取り入れながら制度の運用を継続する方針であることが確認されました。
さらに、防災拠点施設の整備に関しても議論が展開されました。宮崎明氏が中心となり、防災拠点施設の建設計画について述べた内容が重要視されています。防災の観点から現行の施設が老朽化しているため、耐震化を進める必要があると訴えました。市長の発言によれば、大麻分署庁舎建設は、ただの建て替えに留まらず、災害対策本部の機能を持たせることが目指されています。これにより地域全体の防災力向上を図る考えが強調されました。
また、空き地対策に関連する問題も提起されました。市民からの苦情や要望が多いことから、空き地の適正管理に向けた条例の制定が急務であるとされた。この点について市民環境部理事兼環境局長の三栖信征氏は、国の制度変更を注視しつつ、空き地管理の法的根拠を築く必要性を説いていました。
以上のように、鳴門市議会では市政に対する一般質問を通じ、環境や防災に対する市の取り組みの透明性と効率性について活発な議論が展開されている。これにより今後の施策の方向性や市民への説明責任の重要性が再確認されています。平塚氏が最後に述べたように、市民の視点を重視した施策の実施が今後の課題とされることがうかがえる。