令和元年11月21日に開催された鳴門市議会臨時会では、2つの重要な議案が可決された。
まず、議案第81号の「権利の放棄について」が大きな議論を呼び、最終的に賛成多数での可決となった。この議案は、鳴門競艇従事員共済会に対する不当利得返還請求権などの権利を放棄する内容であり、臨時従事員に支給されていた離職せん別金の補助金が司法の判断により違法とされたことが背景にある。
特別委員会の報告では、長年にわたり営業を続けてきたボートレース事業の運営において、補助金支出がどのように行われていたのかが詳述され、参議院でも「悪意や違法性は無かった」との意見が多数挙げられた。特に、会計上の瑕疵が認められた背景には全国的な事業運営の形態があったとの指摘があり、長年の歴史と実績が考慮された。
議案第82号では、市長の給料特例に関する条例が提案され、こちらも原案通り可決された。この条例では、市長の給料を12月から6ヶ月間、20%の減額とする内容で、裁判に伴う道義的責任に基づくものであると説明された。市長の泉理彦氏は、司法の判断を重く受け止め、お詫びを述べた。
特に、議会内での質疑では、補助金制度と市長の責任について議論が交わされ、参加議員からは「市長は自ら給料を減額するべきだ」との意見が多く寄せられた。議会の監視機能の重要性も強調され、今後の制度の見直しや改善にも関心が寄せられている。
議会では、両議案の可決をもって、住民の信頼回復と市の透明性向上に努める方針を示しており、今後の市政運営に期待が高まっている。市民環境部長の廣瀬高氏や経済建設部長の西上昭二氏も出席し、議事を見守った。
今回の臨時会は、議員や市長が財務の健全性と公共政策に対する責任を再確認する重要な機会となった。市民に対しては、これからも信頼回復に向けて真摯に取り組む姿勢を示していくつもりである。