令和4年9月1日に栃木市議会にて行われた定例会では、空き家問題に関する議論が展開された。特に、空き家の実態調査や周辺住民に与える影響が議題となり、参加した議員たちが問題解決に向けた施策について活発に意見を交わした。
空き家の数は増加傾向にあり、特に所有者不明の空き家が問題視されている。市の調査によれば、令和2年度の調査時点で空き家数は1,740件に達し、地域に影響を与える事例が報告されている。例えば、長年にわたり放置された空き家が近隣住民に悪影響を与えていることが、具体的な例として挙げられた。行政側は、調査および対策を進めているが、現状では十分な対策が施されていないとの指摘が相次いだ。
さらに、福田裕司議員が指摘したように、特定空家等に対する指導の徹底が求められ、速やかな対応が必要であるとの意見が共有された。市長は、適正管理を促すための施策を講じることを約束し、問題解決に向けた協力を呼びかけた。
また、空き家発生予防に向けたセミナーの開催も報告され、しかしながら参加者が限られる傾向にあることから、その効果的な周知方法についても改善が求められている。今後は身近な地域住民との連携を強化し、国や県と連携した広報活動の強化を図る考えが示された。
加えて、補聴器購入助成やエアコン設置助成など、特定の高齢者支援が求められていることも議論の中で取り上げられた。特に、エアコンの設置補助制度については、地球温暖化への対応として急務であるとの認識が強調され、今後の導入に向けた具体的なスケジュールが求められる場面も見られた。
このように空き家問題は地域の生活に直結する重要な課題であり、議会では今後の具体的な施策についての検討が求められた。市の職員は引き続き現状把握を見据えた取り組みを進め、地域住民との協働による問題解決を目指していく方針を強調した。