令和4年9月12日、秩父市議会は定例会を開催し、各議員が市政に対する一般質問を行った。特に中期財政計画や子どもたちへの健診の充実についての質疑が目立った。
傍聴者も多く、清野和彦議員は「中期財政計画の目標設定について」と題し、経常収支比率85%の設定理由を質問した。経常収支比率は財政の弾力性を示す指標であり、今後の財政運営における課題を述べた。これに対し、島田典彦財務部長は「経常収支比率85%は埼玉県でもトップクラス。財政状況を考慮しての見直しである」と回答した。
次に、子どもたちへの健診については、清野議員は「5歳児健診の必要性」について言及。その中で「地域の養護施設と連携し、健診を通じて子どもたちが適切に見守られる環境を整えよう」と訴えた。また、保健医療部長の森下喜子氏は「3歳児健診から就学前健診の充実が重要」と述べ、「5歳児健診の必要性を引き続き検討する」との考えを示した。
図書館に関する議論では、教育委員会の中山小百合部長が「現在、地域の図書館は文化的な活動を支える重要な施設である」と強調。中長期の展望として「地域のニーズを把握し、図書館の役割を再考する必要がある」と示した。特に、デジタル化が進む中、電子メディアと共存する図書館の未来についての質問が続いた。
デジタル田園都市国家構想については、髙橋亙市長室長が「AIデマンド交通の実装に向けて準備を進めている」と述べ、特に「地域連携を強化し、利便性向上を図る」と明言した。一方で、各議員から「地域公共交通の活性化が求められている」との声もあり、交通網の再編が必要との意見が出た。特に、地域の高齢者や子供にとっての交通手段が限られていることが問題視された。
全体を通して、秩父市議会は地元の未来を見据え、市政の充実に向けた議論が交わされ、各議員が市民の声を代弁する重要な役割を果たしていることが明らかになった。今後も市民が安心して生活できるような施策の推進が期待される。