令和3年12月7日午前10時、秩父市議会は定例会を開会した。議題は、市政に対する一般質問で、市議員の代表として質問に立ったのは、上林富夫議員である。
上林氏は、まず拉致問題に言及し、市民に対する啓発活動の重要性を強調した。横田めぐみさんの拉致から44年が経過した今、国にはさらなる対応を求めると述べ、国民としての義務を果たす必要があると表明した。続けて、新型コロナウイルスに絡む質問を発し、最近話題となっているオミクロン株についても触れた。
新型コロナに関し、秩父市の現状を問う質問に対し、産業観光部長の田端保之氏は、国の経済対策や県の補助内容を基に支援策を講じていることを説明した。具体的には、企業を対象にした雇用助成や融資、サービス業への消費喚起策が展開されているという。11月末時点での市内の企業支援申請が78件に達したこと、QRコード決済による消費活性化キャンペーンによって約7億円の経済効果を得たことを述べ、今後も支援策を進める意向を示した。
さらに、上林氏は、市民の生活支援についても質問した。福祉部長の浅見芳弘氏は、新型コロナウイルス感染症の影響で困難な生活を強いられる世帯に対する緊急小口資金や、生活困窮者支援金の制度について言及した。これにより、多くの市民が助けられている現状を示し、今後の支援強化の必要性を訴えた。
また、医療費についての質問も上がり、保健医療部長の赤岩睦子氏は、国保高額療養費制度について詳細に説明した。この制度により、自己負担限度額を超えた医療費が自治体から負担され、医療を受ける上での経済的負担が軽減されているとのこと。昨年度、限度額適用認定証の提示による現物給付が4,972件、合わせて5億円以上の支給がなされたことも強調した。
そして、秩父新電力についての質問には、環境部長の笠原義浩氏が答え、現在の仕入れ先や販売状況、今後の見込みについて詳しく説明した。地域独自の電力供給を推進し、脱炭素社会への貢献を目指している点を強調しつつ、安定的な経営を行っていることも述べた。また、今年度は黒字化の見込みにあることを報告した。
最後に、議論は市立病院の人員体制にも及び、医師や看護職員の減少傾向に関する懸念が示された。病院事務局長の小松伸也氏は、看護職員の人数が減少している現状を踏まえ、早急な改善が必要であるとの考えを明らかにした。