令和2年9月の秩父市議会では、久喜邦康市長の市政3期12年にわたる実績や今後の方針が議論された。特に新型コロナウイルスの影響を受けた市政運営に焦点が当てられ、市長は「市民に安心を届けることが使命」と強調した。
松澤一雄議員の一般質問では、過去の施策に加えて今後の目標について問われ、特に新型コロナウイルスによって進んだ医療体制の強化や、経済支援策が挙げられた。市長からは「病院経営の立て直しに取り組む」との発言があり、今後の見通しに期待が寄せられている。
さらに、森林経営管理法を受けた施策に関する質疑もあり、久喜市長はヘクタールあたりの整備状況を説明。昨年度は約2.7ヘクタールの間伐が実施されたとのことで、引き続き森林環境譲与税の活用を示唆している。また、市民からの要望に基づいた安全な地域作り、自然環境の保全に貢献する意向も表明された。
コロナ対応では、並行して観光業の回復も課題に上がり、この分野への支援策や新たな施策の検討が必要とされ、各議員からも意見が相次いだ。特に地域の農業を活かした新たな観光プランへの期待が高まっている。市長は「観光業は市経済を支える重要な柱」とし、後続の施策づくりに意欲を見せた。
市政を支える消防団の人員状況についても触れられ、団員の確保が喫緊の課題として取り上げられた。市では、団員数が減少傾向にあり、今後の人数確保に向けた取り組みを強化する方向性を示している。
市立病院の運営状況もまた、コロナの影響を受けた収益の減少が報告され、特に入院と外来共に前年より減少している十分に踏まえた対応が求められる中で、医療体制の充実に向けた具体策を打ち出せるかが焦点となっている。