令和3年12月の秩父市議会において、市民サービス向上を目指す高齢者のデジタル化に関する質問と提案が行われた。特に、ワクチン接種の際の予約システムについて議論が中心となった。高齢者のモバイルデバイス保有率に関連して、清澤議員は、「LINEによる予約件数は44%と高かったが、高齢者自身が操作しているかは定かでない」と述べた。これに対し赤岩睦子保健医療部長は、コールセンターを強化し、高齢者への相談対応も行っていると説明した。
さらに、キャッシュレス決済の普及に関する質問では、田端保之産業観光部長が市内でのPayPayキャンペーンの成功を挙げたものの、高齢者が参加しにくい現状を指摘された。議員は、「スマホを持たない層への公平な対応が求められる」と訴えた。今後、活動の輪を広げるなど、利用促進の施策が期待される。
また、災害発生時の通信手段や情報伝達方法に関する質問もあり、双方向の情報共有が重要であることが確認された。地域整備部長は、災害時に公民館などの避難所がWi―Fi環境を備える意義について言及し、今後の設置について検討していく意向を示した。
秩父市はデジタル庁設置に伴い、市民のデジタルデバイド解消を目指し、行政サービスのデジタル化を進めている。特に、ペアレントメンターの活用の重要性も議論され、福祉部長は「普及に向け関係機関との連携を強化する」と述べた。これにより、発達障がい児の親に向けた支援に力を入れる意向が窺えた。