令和2年9月16日に行われた秩父市議会では、市政に関わる多角的なテーマについて活発な議論が交わされた。
まず、財政運営に関する質問が寄せられた。市長が述べたところによると、新型コロナウイルス感染症の影響で、今後の市税収入が減少するおそれがあることを指摘しつつも、秩父市は財政調整基金を確保しているため、一定の選択肢を持っていると強調した。特に、リーマンショック時と同様に回復には時間がかかる可能性があるものの、基盤をしっかりと築いていく必要があるとした。また、経済回復に向けた支援策についても言及された。今後の財政運営においては、感染対策と経済支援の両立が求められる。
次に、居心地のよい都市デザインについて多くの意見が飛び交った。まちなかのウオーカブル推進に関し、地域活性化に向けて人中心の街づくりが必要であるとされ、特に羊山公園を活かした施策について具体的な提案が求められた。市民や観光客が楽しめる空間形成を目指すことが述べられ、道沿いの飲食店などを積極的に活用するアイデアも議論された。
また、都市公園の改善策として公共空間の有効活用を進めるため、Park―PFIの活用についても言及された。市担当者からは、羊山公園を中心に、民間の力を借りて公園の魅力向上を図る意向が示された。特に、道路占用に関する特例措置があることから、新たな民間事業者の参入が期待される。
さらに、教育・環境教育に関する質問に対し、教育委員会は具体的な取り組みや成果を報告した。特に、秩父市の自然環境を大切にした体験型の環境教育が進んでおり、今後も地域の特性を活かした教育を進める方針であるとした。これに加えて、今回の新型コロナの影響を受けた教育環境も改善策が求められる中、ICT教育の拡充や、秋の学校再開に向けた準備が進められていることが確認された。
最後に、Society5.0に関連する議論では、特にスマートモビリティ、ドローン配送、遠隔医療など、地域住民の生活を支える技術の導入と、その実現に向けた具体的な取り組みが述べられ、来るべき社会の実現に向けた市の姿勢が強調された。これにより、秩父市が地域活性化の先駆けとなることが期待される。